エステサロンに興味はあるものの、「未経験だけど開業できるの?」「何から始めればいいの?」と不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。実際にエステサロンを開業するまでのプロセスは複雑に見えますが、しっかりと流れを理解し、事前準備を怠らなければスムーズに進めることが可能です。
本記事では、未経験からエステサロンを開業したい人向けに、必要なステップやよくある失敗例をまとめました。具体的なポイントや成功のためのコツを押さえて、理想のエステサロンをオープンさせましょう。

1. エステサロン開業の全体像
エステサロンを開業するためには、市場調査やコンセプト設定からはじまり、資金調達や物件探しなどの具体的な準備を行い、最後に集客と運営体制を確立してオープンを迎えます。特に未経験者の場合、エステ技術の習得や顧客満足度を高める仕組みづくり、リスク回避策が欠かせません。
2. ステップ1:市場調査とコンセプト設定
2-1. 市場調査の重要性
エステサロンを開業する際、まずはターゲット顧客層や競合などの市場環境を知ることが大切です。立地条件や周辺のサロン事情、価格帯、人気メニューなどを把握し、自分のサロンが差別化できる要素を見極めましょう。
- ターゲット層を決める
- 周辺のサロン数・サービス内容を調べる
- 平均客単価や人気のエステコースをリサーチ
2-2. サロンのコンセプト設定
市場調査をもとに、サロンのコンセプトを明確に打ち出します。以下のようなポイントを決めておくと、後の集客やメニュー展開がスムーズです。
- サロンの特徴(フェイシャル専門、痩身特化、リラクゼーション重視など)
- ターゲット年齢層(20代女性、30代~40代のキャリア女性、男性向けなど)
- 価格帯や付加価値(高級感、通いやすい価格設定など)

3. ステップ2:事業計画書(ビジネスプラン)の作成
3-1. ビジネスプランの役割
サロンを安定的に運営していくためには、しっかりとした事業計画書が欠かせません。ビジネスプランは融資を受ける際にも提出が求められることが多く、経営の道しるべとしても重要です。
3-2. ビジネスプランに含める主な項目
- サロンのコンセプト・ターゲット顧客
- メニューと価格設定
- 競合分析・差別化ポイント
- 売上予測・収支計画
- リスクと対策
3-3. ビジネスプラン作成のコツ
専門家や知人からの客観的なアドバイスを受けつつ、具体的かつ数値的な根拠を示すことが大切です。売上や経費の見込みを楽観的にとらえすぎず、やや保守的に予算を設定しておくと、万が一のトラブルにも対応しやすくなります。
4. ステップ3:開業資金の調達・資金計画の立て方
4-1. 開業資金の内訳
エステサロンを開業する際の主な資金項目は以下の通りです。
- 内装費・設備費:施術ベッド、エステ機器、照明、空調など
- 物件取得費:敷金・礼金・仲介手数料など
- 広告宣伝費:看板作成、チラシ・SNS広告など
- 運転資金:家賃、人件費、光熱費などの当面の支払い
初期費用を抑えるには、中古の機器を活用したり、必要最低限の内装から始めたりする工夫も有効です。
4-2. 資金調達方法
- 自己資金:預貯金、家族・知人からの借り入れ
- 融資:銀行、信用金庫、日本政策金融公庫など
- 助成金・補助金:自治体が実施する起業支援制度など
融資を受ける際はビジネスプランがしっかりしていることが重要となります。
より具体的な資金調達方法については、以下の記事で具体的に解説しています。
美容サロンの開業資金はいくら必要?内訳と調達方法を徹底解説
5. ステップ4:物件探しと内装・設備の整備
5-1. 物件探しのポイント
エステサロンにおいて、立地は集客力に直結します。アクセスの良い駅近や人通りの多い場所は有利ですが、家賃も高い傾向があります。サロンのコンセプトや予算に合わせて、どの程度の広さ・場所が必要かを検討しましょう。
- 駅から徒歩〇分以内
- 人目につきやすい路面店か、プライベート感重視のビルインタイプか
- 周辺環境(競合店の有無、住宅街やオフィス街など)
5-2. 内装・設備のポイント
エステサロンは、リラックスできる空間づくりが重要です。照明やBGM、香りなどの演出にも気を配りましょう。また、設備投資はコストがかさみやすいため、新品と中古のバランスを検討したり、リースを活用したりするのも一つの方法です。

6. ステップ5:許認可・届出など法的手続き
エステサロンを運営する際、一般的には特別な資格や免許は必要ありません(医療行為に当たる施術は医師免許が必要)。しかし、風営法や美容師法など、提供する施術内容によっては規制がかかる場合があります。また、事業として開業する場合は税務署や市区町村役所への届出が必要です。
- 個人事業主として開業する場合:開業届出書の提出
- 法人として開業する場合:法人登記、定款作成など
営業所の立地によっては、消防法の基準や防火管理者の選任が求められることもあるので注意しましょう。
エステサロンを運営する際の資格についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください
7. ステップ6:集客・マーケティング戦略
7-1. 集客に役立つ施策
エステサロンの集客は、インターネットとリアルの両面からアプローチするのがポイントです。
- SNS活用:InstagramやTwitter、LINE公式アカウントで新メニューやキャンペーンを発信
- ポータルサイト登録:ホットペッパービューティーやEPARKなどの美容系サイト
- チラシ・ショップカード配布:近隣店舗との提携も検討
7-2. リピーター獲得のコツ
一度来店してもらったお客さまに、継続して通ってもらう仕組みづくりが大切です。アフターフォローやメンバーズカード、割引特典などを活用してリピーターを増やしましょう。
8. ステップ7:スタッフ採用・運営準備
8-1. スタッフ採用の考え方
未経験開業の場合、オーナー自身も現場で施術を担当するケースが多いですが、規模拡大を目指すならスタッフの採用が必要になることもあります。
- 技術力だけでなく、接客スキルやコミュニケーション能力を重視
- 教育・研修プランを用意して、未経験者でも成長できる体制を整える
8-2. 運営体制の整備
スタッフが増えればシフト管理や予約調整などの業務が増加します。予約管理システムや顧客管理ソフトを活用し、オペレーションを効率化しましょう。また、SNSでのコミュニケーションやクレーム対応のルールづくりも重要です。
サロン向けのおすすめ予約システムはこちら

9. よくある失敗例と対処法
9-1. 資金不足で開業後すぐに経営難
初期費用や運転資金を軽視してしまい、思わぬ出費がかさんで廃業に追い込まれるケースがあります。十分な自己資金や融資枠を用意し、資金繰りを常に把握しましょう。
9-2. コンセプトが曖昧で集客できない
エステサロンの市場調査を十分に行わず、「何をウリにしたサロンなのかわからない」とお客さまに思われると、集客が難航します。ターゲットや得意分野を明確に打ち出すことが大切です。
9-3. 未経験で技術力が不足している
未経験で施術スキルが不十分なまま開業すると、リピーターがつかず売上が伸び悩む恐れがあります。オーナー自身がしっかりと技術研修を受ける、もしくは経験者スタッフを採用するなどの対策が必要です。
9-4. 価格競争に巻き込まれる
近隣サロンの価格に合わせて値下げを重ねると、利益が出ずに経営難になります。付加価値を高めて価格競争から抜け出す戦略を考えることが重要です。
10. まとめ
未経験からエステサロンを開業するには、市場調査→ビジネスプラン作成→資金調達→物件探し→許認可手続き→集客戦略→運営準備という一連の流れがあり、それぞれで押さえるべきポイントがあります。特に、コンセプトの明確化と十分な資金計画は成功の大きなカギとなります。
初心者だからこそ、技術面や経営面でサポートを受けられるスクールやコンサルタントを活用するのも有効です。リスクを最小限に抑えつつ、あなたの理想とするエステサロンをぜひ実現してください。
【行動のヒント】
- 気になるスクールやセミナーがあれば、まずは見学や体験に行ってみる
- 競合他店を実際に訪問し、サービスや雰囲気を肌で感じてみる
- SNSや口コミサイトでお客さまの声をリサーチし、改善に生かす
コメント